整形外科の理学療法士募集方法のコツ|求人媒体の種類と使い分け

著者:澤村亮(リハビリコンサルタント・理学療法士/Link Reha代表)

目次

この記事で分かること

整形外科クリニックの院長先生や経営者の方から、

「理学療法士を募集したい、どこに求人を出せばよいのか分からない」
「ハローワークだけでは応募が来ない」
「有料紹介会社は費用が高く、できれば採用コストを抑えたい」
「自院のホームページにも求人を載せた方がよいのか分からない」

という相談を受けることがあります。

この記事では、整形外科クリニックが理学療法士を募集するときに使える求人媒体の種類と、それぞれの使い分けを、リハビリ経営支援の現場目線で整理します。

この記事を読むことで、次の内容が分かります。

・整形外科クリニックが使える理学療法士の募集媒体
・自院ホームページ、Indeed、ハローワーク、学校求人、理学療法士会、PTOTSTネットの活用法
・有料人材紹介会社を使うタイミング
・採用できないときに見直すべきポイント
・理学療法士募集をリハビリ経営の安定につなげる考え方

結論:理学療法士募集は、媒体ごとの役割を理解して使い分けることが大切です

整形外科クリニックが理学療法士を募集するときは、まず「どの媒体に求人を出すか」を整理することが重要です。

求人媒体には、自院ホームページ、Indeed、ハローワーク、学校求人、都道府県理学療法士会、PTOTSTネット、有料人材紹介会社などがあります。

それぞれに役割があります。

求人媒体

・自院ホームページ(SNS)
 クリニックの雰囲気やリハビリへの考え方を伝える場所です。
・Indeedやハローワーク
無料または低コストで求職者に見つけてもらうための基本導線です。
・学校求人
 特に新人の理学療法士に直接届きやすい専門的な導線です。無料。
・理学療法士会やPTOTSTネットなどの専門求人媒体は、費用対効果が高く理学療法士に届きやすい媒体です。
・有料人材紹介会社
急ぎの場合や採用が難航している場合に検討する選択肢です。
※費用対効果を考え多くの媒体で求人をかけていくのがポイントです。

私のコンサル経験上、理学療法士が採用できないクリニックでは、「求人を出している場所が少ない」「媒体ごとの使い分けができていない」「自院ホームページに採用情報が弱い」という課題がよく見られます。

そのため、まずは無料・低コストで使える媒体を整え、そのうえで専門媒体や有料紹介会社を状況に応じて活用することが大切です。

自院ホームページ

自院ホームページは、採用活動の土台になります。

求人媒体でクリニックを見つけた求職者は、その後にクリニック名で検索し、ホームページを見ることが少なくありません。

そのときに、採用ページがなかったり、情報が古かったり、リハビリ室の雰囲気が分からなかったりすると、応募につながりにくくなります。

自院ホームページでは、給与や勤務時間だけでなく、院長のリハビリに対する考え方、リハビリ室の雰囲気、スタッフの声、教育体制、患者層、症例の特徴などを伝えることができます。

また、直接応募につながれば、有料人材紹介会社の紹介料を抑えやすくなる点も大きなメリットです。

Indeedなどの求人検索サイト

Indeedなどの求人検索サイトは、求職者が「地域名 理学療法士 求人」「整形外科 理学療法士 募集」などで検索したときに見つけてもらうための媒体です。

Indeedは無料掲載から始めることができ、有料オプションであるスポンサー求人を使うことで露出を高めることもできます。Indeed公式でも、求人情報を無料で掲載でき、有料になるのはスポンサー求人などの有料オプションを活用した場合と説明されています。

まずは無料掲載で求人情報を整え、反応を見ながら必要に応じて有料オプションを検討する流れが現実的です。

ハローワーク

ハローワークは、無料で使える公的な求人媒体です。

若い理学療法士は民間求人サイトや学校経由で求人を探すことも多いですが、ハローワークは地域採用では今でも重要な導線です。特に、地元で働きたい方、転居を伴わずに就職したい方、家庭との両立を考えている方に届く可能性があります。

ハローワークインターネットサービスでは、求人者マイページを開設することでオンラインによる求人申込みなどが可能と案内されています。

理学療法士養成校への学校求人

理学療法士養成校への学校求人は、新卒採用や将来の採用につながる媒体です。

《出典》求人情報 公益社団法人 静岡県理学療法士会
    https://shizuoka-pt.com/job/

求人票を送るだけでなく、学校の先生との関係づくり、実習生の受け入れ、就職担当者への相談なども含めて考えると、長期的な採用力につながります。

特に最終学年の学生は就職につながりやすいため、募集時期が遅くなりすぎないように注意が必要です。8月~11月ごろは学校で求人説明会を実施していることが多いので可能であれば参加しましょう。多くは勤務しているセラピストが参加して説明をしています。

都道府県理学療法士会・PT協会系媒体

都道府県理学療法士会や日本理学療法士協会に関連する求人媒体は、理学療法士に直接届きやすい専門媒体です。私のおすすめは各地域の理学療法士会の求人募集です。静岡県の場合は、1年間のHP掲載と年に4回(5・9・12・3月)の情報誌への発信で費用は3万円になります。各地域ごとに異なりますので、各お住まいの地域の理学療法士会の募集案内を閲覧してください。

下記は参考までに静岡県の理学療法士会のリンクになります。

《出典》理学療法士の求人情報リハリク
https://www.reharec.com/

日本理学療法士協会は、求人広告について委託運営の求人情報サイト「リハリク」を案内しています。

《出典》求人者マイページからの事業所登録・求人申込み方法について|ハローワークインターネットサービス
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/enterprise/ent_inputmethod.html

こうした媒体では、一般的な求人サイトよりも「理学療法士に向けて何を伝えるか」が重要になります。

PTOTSTネットなどの専門求人媒体

PTOTSTネットは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士向けの専門求人媒体があります。

PTOTSTネット公式では、新規登録の掲載料は22,000円、掲載期間は4か月と案内されており、採用時の紹介料は発生しないと説明されています。ただし、料金や掲載条件は変更される可能性があるため、利用前には公式サイトで最新情報を確認してください。

私の経験上、セラピストが閲覧する可能性が高く費用対効果の高い媒体に感じています。

《出典》求人情報の掲載料について|PTOTSTネット
https://www.pt-ot-st.net/contents4/qanda/31

《出典》求人情報掲載について|PTOTSTネット
https://www.pt-ot-st.net/index.php/other/recruit_guide

有料人材紹介会社

有料人材紹介会社は、急ぎで採用したい場合や、無料媒体で応募が来ない場合にお勧めしたい媒体です。

短期間で候補者に出会える可能性がある一方で、採用決定時に成功報酬が発生することが一般的です。金額は会社や契約条件によって異なりますが、年収の一定割合で設定されるケースもあり、結果として数十万円から100万円前後の採用コストになることがあります。

そのため、最初から有料紹介会社だけに頼るのではなく、まずは無料・低コスト媒体と自院ホームページを整えたうえで、必要に応じて活用することをおすすめします。

整形外科クリニックにおける理学療法士採用は経営課題である

整形外科クリニックにとって、理学療法士の採用は単なる人員補充ではありません。

施設基準にかかわる
リハビリ枠を増やせるか。
患者さんを待たせずに案内できるか。
医師の診察後にスムーズにリハビリへつなげられるか。
運動器リハビリテーションの体制を安定させられるか。
患者さんの満足度を高められるか。

これらはすべて、理学療法士の人数や質と関係します。

私が整形外科のリハビリ経営支援に関わる中でも、

「リハビリを立ち上げたいが、理学療法士が採用できない」
「リハビリ室はあるのに、人が足りず枠を増やせない」
「退職者が出ると、一気にリハビリ運営が不安定になる」
「採用できても、なかなか定着しない」

という相談を受けることがあります。

理学療法士募集でよくある失敗は「求人を出しているつもり」になっていること

理学療法士の採用相談を受けたとき、私が最初に確認するのは、

「今、どこに求人を出していますか?」

という点です。

すると、次のような状態のクリニックが少なくありません。

・ハローワークには出している
・昔から付き合いのある紹介会社に頼んでいる
・ホームページの下の方に小さく求人情報がある
・院内掲示だけしている
・知り合いに声をかけている
・求人票の内容が数年前のままになっている

もちろん、これらが悪いわけではありません。

しかし問題は、求職者の目線で見たときに、求人していることが周知されているかと、「このクリニックで働いてみたい」と思える情報が作成されているかどうかです。

求人媒体が少ないと求職者に届きにくい

理学療法士が採用できないクリニックでは、求人を出している媒体が少ないことがあります。

ハローワークだけ。
紹介会社だけ。
自院ホームページに小さく載せているだけ。
知人に声をかけているだけ。

このような状態では、理学療法士が求人を探している場所に十分届いていない可能性があります。

採用は、魚釣りに似ています。

魚がいない場所に釣り糸を垂らしても、なかなか釣れません。理学療法士が見ている場所、検索している場所、相談する場所に、きちんと求人情報を置くことが大切です。私は最初の周知を獲得を費用対効果を考慮し、HP掲載、インディード(ハローワーク)、学校求人、理学療法士会、PTOTSTネットはすべて掲載し、急ぎの際にはそれ以外の有料求人を追加するようにしています。

求人内容が求職者目線になっていない

求人媒体に掲載していても、内容が求職者目線になっていなければ応募にはつながりにくくなります。

理学療法士は、給与だけで就職先を決めているわけではありません。特に整形外科で働きたい理学療法士は、次のようなことも気にしています。

・どのような疾患や症例が多いのか
・リハビリ室の雰囲気はどうか
・医師や他職種との連携はしやすいか
・経験が浅くても学べる環境があるか
・残業はどの程度あるか
・休みは取りやすいか
・スタッフ同士の関係性は良いか
・運動器リハビリをしっかり学べるか
・将来的に役職や教育に関われるか

求人票は、単なる条件表ではありません。

求職者に対する「クリニックからのメッセージ」です。

自院ホームページは理学療法士募集の土台になる

理学療法士を採用したい整形外科クリニックにとって、自院ホームページの採用ページは非常に重要です。

なぜなら、求職者は求人媒体で気になるクリニックを見つけた後、多くの場合、そのクリニック名で検索するからです。

そのときに、ホームページに採用情報がなかったり、ページが古かったり、雰囲気が分からなかったりすると、応募の一歩手前で離脱してしまう可能性があります。

これは、患者さんの集患とよく似ています。

患者さんも、Googleマップや検索でクリニックを見つけた後、ホームページを見て「ここに行ってみようかな」と判断します。

求職者も同じです。

自院ホームページは紹介会社経由を減らす対策にもなる

自院ホームページに採用ページを整えておくことは、採用コストを抑えるうえでも重要です。

たとえば、求職者がGoogleで「地域名 理学療法士 求人」「整形外科 理学療法士 募集」と検索したとき、有料紹介会社のページばかりが上位に出て、自院ホームページの採用ページが出てこないとします。

その結果、応募者は紹介会社経由で応募し、採用時に高額な紹介料が発生することがあります。

本来、自院ホームページから直接応募してくれた可能性がある人まで、有料紹介会社経由になってしまうのは、経営上もったいないことです。

だからこそ、自院ホームページにも採用ページを作り、Indeedやハローワークなどの基本導線も整えることが大切です。

採用ページに入れるべき内容

自院ホームページの採用ページには、最低限次の内容を入れることをおすすめします。

・募集職種
・仕事内容
・給与
・勤務時間
・休日
・福利厚生
・勤務地
・求める人物像
・リハビリ室の特徴
・教育体制
・院長やリハビリ責任者からのメッセージ
・働いているスタッフのコメント
・応募方法

特に重要なのは、スタッフのコメントです。

たとえば、次のような文章があるだけでも、求職者は安心しやすくなります。

「入職当初は整形外科外来の経験が少なく不安もありましたが、先輩スタッフに相談しながら少しずつ症例を担当できるようになりました。患者様の生活に近いところで関われることにやりがいを感じています。」

多くのセラピストが就職先の人間関係が良いところを望んでいます。しかし、知り合い下いない限りは情報が入ってこないところなので、発信できるところで積極的に伝えていきましょう。

もちろん、実際に働くスタッフの声をもとに作成することが大切です。AIを使って文章を整えることはできますが、完全に架空の声にしてしまうと、入職後のギャップにつながります。

採用ページで大切なのは、良く見せることではなく、正しく伝えることです。

医療機関のホームページ改善やWEB戦略に関心がある方は、以下のページも参考にしてください。

Indeedとハローワークは無料・低コストの基本導線として活用する

理学療法士の募集で最初に取り組みたいのは、無料または低コストで出せる求人導線を広げることです。

その中でも、Indeedとハローワークは基本導線として活用しやすい媒体です。

Indeedは検索経由で見つけてもらうための媒体

Indeedは、求職者が求人情報を検索したときに見つけてもらうための媒体です。

「地域名 理学療法士 求人」
「整形外科 理学療法士 募集」
「理学療法士 正社員 クリニック」

このような検索をする求職者に対して、求人情報を届けることができます。

ただし、Indeedに出すだけで応募が来るわけではありません。

求人内容が分かりにくい、給与条件が不明確、休日が分かりにくい、仕事内容が抽象的すぎる場合は、応募につながりにくくなります。

ハローワークは地域採用に強い媒体

ハローワークは、地域で働きたい人に届きやすい媒体です。

特に、転居を伴わずに働きたい方、家庭との両立を考えている方、地元で長く働きたい方に見られる可能性があります。

ただし、ハローワークに出せばよいというわけではありません。

大切なのは、求人票の書き方です。

よくあるのは、仕事内容が次のように簡単すぎるケースです。

「整形外科外来における理学療法士業務」
「運動器リハビリテーション業務」
「患者様へのリハビリ対応」

これだけでは、求職者に魅力が伝わりません。

たとえば、次のように具体化すると印象が変わります。

「整形外科外来にて、腰痛・膝痛・肩関節疾患・スポーツ障害・術後リハビリなど、運動器疾患を中心としたリハビリテーションを担当していただきます。医師、看護師、受付スタッフと連携しながら、患者様が安心して通院できるリハビリ体制づくりを大切にしています。」

このように書くと、求職者は働くイメージを持ちやすくなります。

理学療法士の給与条件は地域相場と近隣競合を見て決める

理学療法士の採用で、給与条件は避けて通れません。

ただし、給与を高くすれば必ず採用できるわけではありません。一方で、地域相場から大きく低い条件になっている場合、応募の段階で選ばれにくくなるのも事実です。

私が現場で確認するときは、次の2つを見ます。

1つ目は、Indeedなどの求人媒体で、地域名と資格名を入れて検索することです。

たとえば、

「静岡市 理学療法士 求人」
「磐田市 理学療法士 正社員」
「整形外科 理学療法士 求人」

のように検索します。

2つ目は、近隣の同じような施設がどのくらいの条件で募集しているかを見ることです。

同じ地域の整形外科、通所リハビリ、訪問リハビリ、介護施設、病院などがどのくらいの給与で募集しているかを確認します。

求職者は給与だけでなく休日・残業・教育体制も見ている

注意したいのは、「月給」だけで比較しないことです。

求職者は、次のような条件も含めて見ています。

・年間休日
・日曜・祝日の休み
・木曜午後や土曜午後の休み
・残業時間
・賞与
・昇給
・退職金
・有給の取りやすさ
・勉強会や研修の有無
・子育てとの両立
・人間関係
・通勤距離

つまり、給与が平均的でも、休暇や働きやすさが分かりやすく伝わっていれば応募につながる可能性があります。

逆に、給与が少し高くても、仕事内容や雰囲気が分からなければ応募をためらわれます。

採用は、条件の勝負であると同時に、情報設計の勝負でもあります。

学校求人は新卒採用と将来の採用につながる

理学療法士の採用で、意外と見落とされやすいのが学校求人です。

地域の理学療法士養成校に求人票を出すことは、新卒採用を考えるうえで重要です。

ただし、学校求人にはタイミングがあります。

理学療法士養成校の学生は、最終学年になると就職活動が始まります。3月には卒業するため、年度末に近づくほど就職先が決まっている学生が増えます。

学校によっては、遅い時期になると求人票の受付や学生への案内が難しくなることもあります。

そのため、学校求人を考える場合は、早めに学校の事務局や就職担当の先生に確認することをおすすめします。

実習生の受け入れは採用活動の一部になる

学校求人で大切なのは、求人票を送るだけで終わらせないことです。

できれば、同じ県内や近隣地域の学校と関係性を作っておくことが理想です。

特に効果的なのは、実習生の受け入れです。

実習生を受け入れ、良い関係を築くことができれば、その学生が将来の就職候補になる可能性があります。また、学校の先生に「このクリニックは学生を丁寧に見てくれる」「教育に理解がある」と感じてもらえれば、学生に紹介しやすくなります。

もちろん、実習生を受け入れるには教育体制や現場の負担も考える必要があります。しかし、長期的に見ると、実習生の受け入れは採用活動の一部にもなります。

私の現場感としても、実習を通じてクリニックの雰囲気を知り、そのまま就職につながるケースは非常に自然な流れです。

学生にとっても、見たことのない職場に飛び込むより、実習で雰囲気を知っている職場の方が安心です。

これは、クリニック側にとっても同じです。

履歴書と面接だけでは分からない、挨拶、患者さんへの接し方、学ぶ姿勢、スタッフとの関わり方を見ることができます。

特に最終学年の学生は、就職につながりやすい時期です。実習生を受け入れる場合は、単に実習をこなすのではなく、「将来一緒に働くかもしれない人」として丁寧に関わることが大切です。実習生が就職することや、実習地の評判から就職希望を出してくる学生は、実際に多いです。

理学療法士会・PT協会系媒体は専門職に届きやすい

無料媒体と自院ホームページを整えた次に考えたいのが、理学療法士に届きやすい専門媒体です。

代表的なものとして、都道府県理学療法士会の求人掲載や、日本理学療法士協会に関連する求人情報導線があります。

こうした媒体は、一般的な求人サイトよりも、理学療法士に対して自然に届きやすいのが特徴です。

ただし、ここでも大切なのは「掲載すれば終わり」ではないということです。

専門媒体では整形外科で働く魅力を具体的に伝える

士会や協会系の媒体を見る理学療法士は、比較的まじめに就職先を探していることが多い印象があります。その分、求人内容が薄いと選ばれません。理学療法士会の求人媒体は記入欄が少ないです。募集をしていることを周知して、HPで内容を整えましょう。

整形外科クリニックの場合は、次のような内容をしっかり書くとよいです。

・運動器リハビリの症例が多いこと
・医師との連携体制
・リハビリ部門の人数
・教育体制
・経験者に任せたい役割
・新卒や若手を育てる体制
・将来的なリハビリ部門の方向性
・地域医療への思い

特に、整形外科で長く働きたい理学療法士は、「この職場で成長できるか」を見ています。

「患者さんに丁寧に関わりたい」
「運動器を深く学びたい」
「医師と連携しながら臨床力を高めたい」
「地域の患者さんの生活を支えたい」

このような思いを持つ理学療法士に届くように、クリニック側の考え方も丁寧に書くことが大切です。

PTOTSTネットは費用対効果を見ながら活用しやすい

PTOTSTネットのような専門求人媒体は、理学療法士が転職や求人情報を探すときに見に来る可能性があります。

私の考えとしては、費用対効果を考えると、ハローワーク、Indeed、自院HP、学校求人とあわせて、早めに候補に入れてよい媒体だと思います。

ただし、掲載するだけでは不十分です。

求人内容の作り込みが重要です。

たとえば、次のような表現だけでは弱いです。

「明るく元気な方を募集しています」
「患者様に優しく接することができる方」
「整形外科でのリハビリ業務です」

もちろん悪くはありませんが、他院との差別化にはなりにくいです。

もう少し具体的にすると、次のようになります。

「当院では、腰痛、膝関節疾患、肩関節疾患、スポーツ障害、術後リハビリなど、運動器疾患を中心に幅広い患者様を担当します。医師とリハビリスタッフが情報共有しながら、患者様の生活動作や再発予防まで考えたリハビリを大切にしています。」

このように書くことで、整形外科で働くイメージが伝わります。

休日や働き方も目立たせる

理学療法士の求職者は、リハビリの内容だけでなく、家庭や生活とのバランスも見ています。

年間休日、日祝休み、土曜午後休み、有給の取りやすさ、残業の少なさなどは、しっかり伝える価値があります。

特に整形外科クリニックでは、土曜診療がある場合も多いため、土曜午後の扱い、平日の半日休み、祝日の休み、有給取得のしやすさなどを明確に書くと、求職者が働くイメージを持ちやすくなります。

有料人材紹介会社は急ぎの場合や難航時に使う

理学療法士の採用で、有料人材紹介会社を使うべきかどうかは悩ましい問題です。

結論から言うと、急ぎの場合や、どうしても採用が難しい場合には有効です。

たとえば、次のようなケースです。

・リハビリ立ち上げが迫っている
・運動器リハビリの施設基準や運営体制に影響する
・退職者が出て早急に補充が必要
・地域的に応募が少ない
・管理者候補や経験者が必要
・無料媒体や学校求人を出しても反応がない

このような場合は、有料人材紹介会社を使う判断も現実的です。

代表的な医療・リハビリ職向けの人材紹介サービスとして、マイナビコメディカル、PTOT人材バンク、レバウェルなどがあります。

ただし、有料職業紹介会社では、採用が決定した際に医療機関側へ成功報酬が発生する契約が一般的です。

金額は会社や契約条件により異なりますが、年収の一定割合で設定されるケースもあり、結果として数十万円から100万円前後の採用コストになることがあります。

有料人材紹介会社を使う前に確認すべきこと

契約前には、次の点を必ず確認することをおすすめします。

・紹介手数料
・返金規定
・早期退職時の扱い
・求人票の掲載方法
・自院名の表示有無
・検索結果での見え方
・候補者との連絡方法
・複数社利用時のルール

特に注意したいのは、自院名を出した求人が検索上で有料紹介会社に強く表示されると、もともと自院に興味を持って検索した人まで紹介会社経由になってしまう可能性があることです。

たとえば、求職者が「〇〇整形外科 理学療法士 求人」と検索したとします。

そのとき、自院の採用ページよりも紹介会社の求人ページが上位に出てしまうと、求職者は紹介会社経由で応募する可能性があります。すると、直接応募であれば発生しなかった紹介料が発生することがあります。

このため、紹介会社を使う場合は、施設名の出し方や検索結果での見え方も確認しておく必要があります。

もちろん、紹介会社には紹介会社の良さがあります。求職者との連絡を代行してくれる、条件に合いそうな人を紹介してくれる、短期間で候補者に出会える可能性があるなど、忙しいクリニックにとって助かる面もあります。

大切なのは、「無料媒体を整えずに、最初から紹介会社だけに依存しないこと」です。

紹介会社は、最後の手段ではなく、状況に応じた選択肢です。ただし、使う前に自院でできる採用導線を整えておくことで、採用コストを抑えられる可能性があります。

※求人媒体の料金、掲載期間、紹介手数料、掲載条件は変更される場合があります。実際に利用する際は、各媒体の公式サイトや契約書で最新情報を確認してください。

理学療法士を採用できないときに見直すポイント

理学療法士の募集をしても応募が来ない場合、まず見直すべきポイントがあります。

私のコンサル経験上、特に多いのは「募集範囲が狭いまま待っている」状態です。

つまり、求人を出している場所が少ないのです。

たとえば、ハローワークだけ。
紹介会社だけ。
ホームページに小さく載せているだけ。
知り合いに声をかけているだけ。

これでは、求職者に届く可能性が限られます。

求人を出している媒体を見直す

採用できないときは、まず求人を出している媒体を確認します。

・自院HPに採用ページはあるか
・Indeedに掲載しているか
・ハローワークに出しているか
・学校求人に出しているか
・理学療法士会などの求人媒体を使っているか
・PTOTSTネットを使っているか
・地域求人媒体も検討したか
・必要に応じて紹介会社も使っているか

ここが狭い状態で待っているクリニックは少なくありません。

「求人を出しているのに来ない」のではなく、「理学療法士が見る場所に十分出せていない」というケースがあります。

求人内容が求職者目線になっているか見直す

次に、求人内容を確認します。

・仕事内容は具体的か
・給与は地域相場と大きくずれていないか
・休日や勤務時間は分かりやすいか
・リハビリ室の雰囲気が伝わるか
・教育体制が伝わるか
・スタッフの声があるか
・院長のリハビリに対する考えが伝わるか
・応募方法が分かりやすいか

理学療法士は、条件だけでなく、職場の雰囲気や成長できる環境も見ています。

そのため、採用ページや求人票では、クリニック側が伝えたいことだけでなく、求職者が不安に感じやすい点を先回りして書くことが大切です。

応募後の対応も採用率に影響する

さらに、応募後の対応も大切です。

・問い合わせへの返信が遅くないか
・見学希望に柔軟に対応できているか
・面接日程の調整が遅くないか
・面接でクリニックの魅力を伝えられているか
・採用条件を曖昧にしていないか

採用活動では、応募が来るまでだけでなく、応募後の対応も重要です。

求職者は複数の職場を比較しています。返信が遅い、対応が冷たい、見学時の雰囲気が悪い、説明が不十分といったことがあると、他院に流れてしまいます。

これは患者さん対応と同じです。

初めて電話したときの受付対応、来院時の案内、診察までの流れが患者さんの印象に影響するように、求職者も最初の対応で職場の雰囲気を感じ取ります。

整形外科クリニックの求人ページに入れるべき魅力

整形外科クリニックの求人ページでは、条件だけでなく「整形外科で働く魅力」を伝えることが大切です。

理学療法士にとって、整形外科外来には多くの魅力があります。

・運動器疾患を多く経験できる
・患者さんの改善を継続的に見られる
・医師と近い距離で連携できる
・地域の患者さんの生活を支えられる
・急性期後から生活期まで幅広く関われる
・外来リハビリのマネジメントを学べる
・スポーツや術後、慢性疼痛など多様な症例を経験できる

ただし、これらは書かなければ伝わりません。

整形外科クリニック側は「うちはリハビリを大切にしている」と思っていても、求職者には見えません。

だからこそ、採用ページでは、院長の考え方やリハビリ部門の方向性を言語化する必要があります。

院長の考え方とリハビリ部門の方針を伝える

たとえば、次のような文章です。

「当院では、診察だけでなくリハビリテーションを通じて、患者様が日常生活に戻る力を支えることを大切にしています。理学療法士には、痛みの改善だけでなく、再発予防や生活動作の改善まで含めて、患者様に寄り添った関わりを期待しています。」

このような文章があると、リハビリを大切にしているクリニックであることが伝わります。

また、教育体制についても具体的に書くとよいです。

「経験の浅い方には、先輩スタッフが評価や治療方針の相談に乗りながら、段階的に症例を担当できるよう支援します。」

「経験者の方には、外来リハビリの質向上や後輩育成、リハビリ部門の運営改善にも関わっていただきたいと考えています。」

このように、若手にも経験者にも伝わる内容を入れることで、応募の幅が広がります。

理学療法士採用は募集だけでなく定着まで考える

理学療法士を採用するとき、多くのクリニックは「どう応募を増やすか」に目が向きます。

もちろん応募を増やすことは大切です。

しかし、本当に重要なのは、採用した理学療法士が長く働き、リハビリ部門の力になってくれることです。

採用してもすぐに辞めてしまえば、また募集費用や教育コストがかかります。患者さんへの影響もあります。既存スタッフの負担も増えます。

そのため、採用ページや面接では、良いことだけを伝えるのではなく、実際の働き方を誠実に伝えることが大切です。

たとえば、忙しい時間帯があるなら、そのことも伝える。
新しい体制づくりの途中なら、そのことも伝える。
リハビリ部門をこれから強化したいなら、その思いを伝える。

そのうえで、「一緒に作っていきたい」という姿勢を示すことが大切です。

リハビリ部門は人が育ち定着してこそ安定する

これは、私が大切にしているリハビリ経営支援の考え方にもつながります。

リハビリ部門は、人が中心です。

仕組みも大切ですが、人が育ち、人が定着し、人が力を発揮できる環境がなければ、安定した運営にはなりません。

理学療法士の募集は、単なる人員補充ではありません。

クリニックのリハビリの未来を一緒に作る仲間を探す活動です。

リハビリ部門の立ち上げや運営改善に関心がある方は、以下のページも参考にしてください。

リハビリコンサルティング|Link Reha

まとめ:理学療法士募集は「媒体の使い分け」と「伝わる求人内容」が重要です

整形外科クリニックが理学療法士を募集するときは、まず「どの媒体に求人を出すか」を整理することが大切です。

求人媒体には、それぞれ役割があります。

自院ホームページは、クリニックの雰囲気やリハビリへの考え方を伝える土台です。Indeedは検索経由で見つけてもらうための媒体です。ハローワークは地域採用に活用しやすい公的媒体です。学校求人は新卒採用や将来の採用につながります。理学療法士会やPT協会系媒体は、理学療法士に直接届きやすい専門媒体です。PTOTSTネットは費用対効果を見ながら活用しやすい専門求人媒体です。有料人材紹介会社は、急ぎの場合や採用が難航している場合に検討する選択肢です。

私のコンサル経験上、理学療法士が採用できないクリニックでは、「求人を出している場所が少ない」「媒体ごとの使い分けができていない」「求人内容が求職者目線になっていない」という課題がよく見られます。

逆に言えば、ここを整えるだけでも改善できる余地があります。

理学療法士の採用は、整形外科クリニックのリハビリ経営を支える重要な土台です。

採用が安定すれば、リハビリ枠を増やしやすくなり、患者さんを待たせにくくなり、スタッフ教育にも取り組みやすくなります。そして、クリニック全体の運営も安定しやすくなります。

まずは、今の求人が「理学療法士に届く媒体に出ているか」「求職者に伝わる内容になっているか」を確認してみてください。

一つひとつ整えていけば、採用活動は必ず前に進みます。

この記事が、整形外科クリニックのリハビリ体制づくりと、地域の患者さんにより良いリハビリを届ける一歩につながれば幸いです。

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この記事を書いた人

sawamuraのアバター sawamura 代表取締役

株式会社Link Reha 代表|理学療法士・医療専門コンサルタント
理学療法士として23年以上、整形外科を中心に臨床・リハビリ運営に従事。無床診療所を主軸に、リハビリ部門の立ち上げ・運営改善と、医療広告に配慮したWEBマーケティングを一体で支援しています。

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